日本のメディアを見るたびに、何か違和感を感じてしまう。なぜか? 日本では政治の世界を始めありとあらゆる場所で、男性ばかりが表立っているからである。例えば昨年の8月に日本人グループがノルウェーを訪れ、『ノルウェーのいじめ対策を学ぶ』と称して各地を回った。8月28日木曜日付のベルゲンの地元紙ベルゲンアビースは、8人の男性だけで構成された日本人の写真を掲載した。いじめ対策も大切だが、ジェンダーという基本的でかつ誰にとっても重要なことを、まずノルウェーから学ぶべきではないだろうか。
ノルウェーで婦人普通選挙権が可決されたのは、日本より33年も早い1913年である。現在のノルウェーは完全ではないが、日本と比較すると女性やほかの少数派に関する概念がかなり高い。とはいっても始めからノルウェーが平等な社会であった訳では決してない。現在の日本と同じような時代があり、ノルウェーの女たちは差別され、阻害され、低待遇を受け、女性の権利は無に等しかったのである。
このブログでは、19世紀に活躍しノルウェーフェミニストのパイオニアと言われるカミラ・コレットを始め、現在までのノルウェー社会で大活躍した、あるいは現在活躍している女性たちを紹介する。これが少しでも日本の平等社会への力添えとなれば幸いである。
ベルゲン、2015年秋
リングダール裕子
参考資料
- Ferguson, Katherine (28.august 2014), Vil lære av Norge, Bergen, Bergensavisen