ノルウェー国王と中国の人権問題

Foto: Heiko Junge / NTB SCANPIX

少し前にノルウェー国王について紹介したが、今年2018年の秋には夫妻で中国を訪問している。北京始め上海やその他ゴビ砂漠などを訪問し、中国国家主席の習近平とも会談が火曜日に予定されている。国王は女性ではないが、ノルウェーの性を含む人権問題において、重要な役割をしている。最近注目されているノルウェー国王の中国訪問をここで紹介する。

さて、数日後に迫った中国主席との会談だが、ノルウェー国王は国王として稀とも言える内容を考慮している。その内容とは中国における人権問題である。国王ハーラルはノルウェーメディアに次のように語っている。

「中国は以前訪問した時よりも大きく進歩しているところがある。またその一方、進歩があまり見られないところもある。」「我々西洋人は人権問題を重視するが、中国滞在中で行う主席との会談でも、この人権問題を取り上げるつもりである。」「中国は世界経済をリードしている重要な国の一つであり、それを考慮するのは重要だ。例えば電車に乗りたくても、駅のホームにいて待っていなければ、列車は待たずに行ってしまう。」

国王の最後の言葉は何を示しているのだろうか。列車が行ってしまう。駅のホームにいないのは誰か。それは紛れもなく中国である。電車とは何か。それは国際社会における人権問題の進歩であろう。中国は経済的に目覚ましい進歩をしてきて、現在では世界をリードしている経済大国である。そのために世界各国を訪れ、様々な国と交流する中国は、一つ進歩に遅れていることがある。それは人権問題である。

2010年には中国の人権活動家の劉 暁波(リュー・シャオポー)がノルウェーにおけるノーベル平和賞を受賞したことに関し、ノルウェー・中国の関係が一時的に悪化した。また現在も続いているチベット自治区の問題を始め、言論や報道の自由などが規制されており、様々な意味で人権侵害が行われているとの報告がある。

もし中国がこれからも世界を経済的にリードし、国際協力を望んでいるならば、誰にとっても人権問題を無視するべきではない。さもないといつか世界から取り残されてしまうのではないか、行ってしまった列車のように。ノルウェー国王は列車を例えて中国に警告しようとしているのではないか。

ノルウェー・アムネスティー会長のヨン・ペーデル・エゲネスは、思いがけない驚きを隠せない様子だ。「すばらしいです。ノルウェーならではの人権という価値観を示すことは、重要であり、それを国王自ら会談で取り上げるということは、思いもかけなかったことです。これは首相などの政治家の仕事で、国王としての自分の出る幕ではないと言われると思っていたことなので、大変すばらしいです。中国側も、国王自らその件に関して取り上げるということを、よく考慮すべきです。経済大国だからとか、世界をリードしているとかの傲慢な態度で接すべきではありません。ノルウェーを代表する国王が、あたりさわりのない話題をするのではなく、これがノルウェーの大切な文化の一つであることを中国に伝えるのは大切です。」

もう一つ感心できることがある。それは日本の天皇一家と違い、一国の国王がこれほどまで自由に発言を許されているというのも、注目すべきではないか。日本の天皇が他国訪問の際に「この国の人権問題について取り上げようと思っている」などと発言したら、たちまち宮内庁が翌日の朝一番の飛行機で天皇の滞在場所に赴き、止めにかかるかもしれない。今度ハーラル国王が日本を訪問した際にも、人権問題を取り上げることを希望する。

それにしても数日後に迫った中国主席との会談の結果が大変楽しみである。ノルウェーから指をクロスして待っていよう。

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