ノルウェーの徴兵制度

Foto: Kennedy/flickr

 ノルウェーでは2015年から、男女両方のノルウェー国民に、徴兵制度を義務化することに決まりました。この男女平等に基づく徴兵制度は、ヨーロッパで初めてということです。

 男女平等になった当時は、男女同室のために、女性兵士が布団の中で着替えをしなくてはならないということがあったそうですが、現在は男女別の寝室になっています。

 以前から女性兵士はいましたが、過去には女性にとって不都合なことも起こりました。例えば2011年には女性兵士が30人の男性兵士と共に、裸になって前を洗うことを強制されました。その間4人の男性である上官が見張っていたそうです。後にこれを命令した上官は、事務の仕事に回され、罰金刑(2500クローネ)も課せられました。

 女性も男性と同じく徴兵制度につかなくてはならないということについては、連盟や個人により意見は様々です。あるソーシャルメディアのグループでは、多くの女性が、軍隊の平等について肯定的だと言っています。例えばアフガニスタンやパキスタンのようなイスラム教の国々では、女性が家族以外の男性とコンタクトが禁じられていることが多いですが、女性兵士が存在することにより、現地の女性と連絡することが可能になるということも、肯定的な理由の一つであるということです。

 一方反対派の意見によると、軍隊での男女平等は、基本的な性の平等に関する概念の誤解によるものだということです。性の平等という概念は、全ての人間が性別によらずに公平に人権尊重され、基本的な自由が保証されるものであり、女性の権利や富源も男性と同じく敬われなければいけません。でも全ての状況で全く同等に扱われる必要はなく、同等の結果を得るために、多少の異なる扱いが必要なこともあります。平等に扱うということは、ある意味で弱い立場の者が強い者と同時に競うことになり、それは弱い者にとって危険となると言っています。

 義務化にすることは多様化することにつながりますが、女性が(例えば)肉体的に男性と同等に強くなるという意味ではありません。また軍隊に特有な厳格な上下関係の中で、女性が暴力を使い、自分自身の防衛を行うことを推奨することになります。結果的には女性が暴力化することになり、私たちNGO(1896年にFredrikke Marie Qvamが設立したノルウェー女性衛生連盟)の非暴力というモットーに反することになる、ということです。

 義務化にすることは多様化することにつながりますが、女性が(例えば)肉体的に男性と同等に強くなるという意味ではありません。また軍隊に特有な厳格な上下関係の中で、女性が暴力を使い、自分自身の防衛を行うことを推奨することになります。結果的には女性が暴力化することになり、私たちNGO(1896年にFredrikke Marie Qvamが設立したノルウェー女性衛生連盟)の非暴力というモットーに反することになる、ということです。

 国防軍参謀長によると、女性兵士の雇用により、ノルウェーの防衛のあり方は男性ばかりだった昔に比べ、文化の変化があり、それは決して否定的ではないそうです。女性兵士たちは非常に優秀であり、変化に飛んだタスクやほかの仕事も、男性より上手くこなすことができるそうです。女性の防衛軍参加は、明らかに肯定的と言えると言っています。

 女性兵士の数は現在(2020年)ほぼ30%に達し、女性も男性と同じことを要求されるそうです。