中絶ディベートに関する欠如

ノルウェー厚生省は2016年2月はっきりと「双子またそれ以上の多胎妊娠における一人またはそれ以上の胎児の人工妊娠中絶は、違法ではない」と宣言した。これに伴い国中で世論が涌き上がったのは言うまでもない。厚生大臣のベント・ホイエ始め労働党や進歩党は、人工妊娠中絶は女性の権利であることを強調した。一方キリスト教民主党と自由党は、(例えば)双子のうち一人を中絶することは許可すべきでないと、反対の立場を取った。

ノルウェーの現在の法律によると、12週以前ならば医学的また社会的な理由なしに、自由に人工妊娠中絶の選択が可能になっているが、12週を過ぎると、母親の健康状態または生活の困難さに応じて許可されることになっている。

一方スペインはノルウェーより規制が緩やかだと理由で、ノルウェーからすでに何組も多胎妊娠の女性を連れて、一人かそれ以上の胎児を中絶するために訪れているらしい。スペインに限らずイギリスやデンマークでも可能だ。

いずれにしても専門家が口を揃えて訴えていることは、双子のうち一人を中絶すると、もう一人の胎児も危険にさらされるということだ。そのため中絶は12週から14週の間に行うことが望ましいが、それでも残された胎児が危ないことはいうまでもないそうだ。

中絶に関するディベートは終わることがない。賛成派は女性の権利を訴え、反対派は胎児の権利を訴える。おや、何かが足りない。それは胎児の父親の責任である。男性は数分で『父親の仕事』が終わってしまうんだと思っているのではないか。それに引き換え女性はまず妊娠が分かったとたんに人生の重要な決断をしなくてはいけない。もし中絶を選べば、反対派から抗議の嵐を受けることになるし、また妊娠継続を決めたなら、それなりに健康に注意深くそれからの9か月ほどを過ごさなければならない。それは決して楽な道のりではないのだ。

好きな物を9か月我慢しなければならないかもしれないし、つわりを長く煩う人もいる。妊娠中毒始めその他様々な問題が表れるかもしれないし、やっと9か月ほど経つと、いよいよ出産という人生最大のイベントがやってくる。非常に軽い人もいれば、20時間ぐらいまたはそれより長く陣痛で苦しんで苦しんで、やっと出産が終わる人もいる。またその産褥も苦しいことがあるし、授乳に伴う困難さもある。

そして何よりも、子育ての大変さは並大抵ではないのだ。一人の人間を立派に育てるという、非常に責任重大なことを約20年間も続けなければならないのだ。こんなに大切なことを、母親である女性一人に押し付けるべきではないことは明らかだが、多くの女性が何らかの形で責任のほとんどを負わなければならない。その一番始めの時期でなぜ女性だけが注目され、中絶を選んだとたん、社会からの総攻撃にたった一人で耐えなければならないのか。

 

 

 

 

 

 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中